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「土佐ジロー」という地鶏を知っていますか?高知県が研究開発を重ねて生まれた特産鶏で、現在は70ほどの認定生産農家で飼育されています。各種メディアに取り上げられるなど、認知度も徐々に高まりつつある土佐ジロー。しかし県外の方にとっては、まだまだ馴染みのない食材かもしれません。
今回訪れたのは、そんな土佐ジロー認定生産農家の一つ、有限会社 はたやま夢楽(むら)。山深い畑山の地で土佐ジローの生産や加工を手掛ける会社です。採卵用として開発された土佐ジローは、現在でも生産者の大半が採卵用のみとして飼育をしています。そんな中、はたやま夢楽がメインとするのは食肉用としてのオス飼育。全体の約9割を生産しているといいます。
また土佐ジロー料理を味わえる宿泊施設兼食事処「ジローのおうち」を運営しているのも特徴。訪れた人々に土佐ジローの魅力を伝えることにも力を入れています。ジローのおうちで土佐ジロー料理をいただきながら、会長の小松靖一さんと代表の小松圭子さんご夫妻に土佐ジローの魅力についてお聞きしました。
土佐ジローは1980年代から高知県内で飼育が始まった地鶏。高知県原産の天然記念物「土佐地鶏」を父親に、産卵鶏として使われることも多い「ロードアイランドレッド」を母親に持つ。一般的な食肉用のブロイラーなどは肉付きが良くなるように改良され、出荷時の体重は3kg前後になることもある。一方で土佐ジローはオスでも1.5kg程度。かなり小さな珍しい地鶏と言える。
また珍しいのは大きさだけでなく、生産方法も。1代種であるため、産まれた卵をかえしてもそのヒナは土佐ジローではない。高知県土佐ジロー協会から生後0日のヒナを連れてきて飼育する。飼育法は協会によりマニュアル化されており、認定生産農家にはマニュアルに沿った飼育が求められる。例えば生後28日以降は1㎡あたり6羽以下と、一般的な地鶏の半分以下の密度で平飼いしなければならない。
実際にはたやま夢楽でも、18㎡ほどに区切った鶏舎で約60羽ずつを平飼い。鶏舎は空が見える土の遊び場と、階段状の止まり木を設置した休憩スペースに分かれている。これは土遊びが大好きで、木の上で休むという鶏本来の性質に配慮したものだという。広々とした土の上をのびのび歩いたり、止まり木で休んだりと思い思いに過ごす土佐ジローの姿は、見るからにストレスが少なそう。生産性を求める現代養鶏業の真逆をいく方法で飼育される、健康的な地鶏。それが土佐ジローなのだ。
高知県が研究開発を重ねて生まれた特産鶏「土佐ジロー」
はたやま夢楽がある畑山は、20人ほどが暮らす山奥の限界集落。この地で靖一さんが土佐ジローの生産を始めたのは1987(昭和62)年のこと。林業の衰退により人口が激減した地元、畑山になんとか新しい仕事をと考え、目をつけたのが土佐ジローだった。
食肉用としての飼育に成功すれば、県内第1号となる。畑山オリジナル商品ができれば、畑山で生きる道が開けるかもしれない。土佐ジローの健康を気遣い、肉の旨みを引き出す育て方を追い求める日々が続いた。こうした努力の甲斐あって、1998(平成10)年には美味しく、採算が取れそうな生産様式が確立。多くのメディアで紹介されるようにもなった。その後、2022(令和4)年になると土佐ジローの料理を食べられる宿泊施設兼食事処「ジローのおうち」をオープン。全国から土佐ジローを求める人が訪れ、週末はもちろん、平日でも満室のことも多いという。
土佐ジローにより、畑山には今希望の葉が芽吹き始めている。その葉が枯れないように、新しい葉が芽吹くように、小松さんご夫妻は今日も土佐ジローに向き合う。
土佐ジローと向き合う生活を続ける靖一さん
小松さんご夫妻が丹精込めて飼育した、はたやま夢楽の土佐ジロー。その味わいは唯一無二。今までに食べた人からは「鶏の概念が変わる」「噛んだら、噛むだけ味がある」「脂が圧倒的に少ないが、肉に感動的な味を秘めている」といった声が上がったという。
実際にジローのおうちに宿泊し、土佐ジロー炭火焼きコースをいただいてみた。まずは靖一さんが鶏肉の部位ごとに炭火で焼いておすすめの食べ方で味わうのだが、どの部位も想像を超える美味しさが広がる。白子やトサカなど、普段馴染みのない希少部位は新食感の美味しさだ。焼き方でも味わいは変わるそうで、靖一さんの絶妙な焼き方も美味しさの秘訣のようだ。
さらに、コースの最後に選べるミニ親子丼の美味しさは忘れられない。土佐ジローの出汁、肉、卵がミックスされているからこその味わいは格別だった。選べるもう一品はだし茶漬け。2回以上訪れている方はこちらを選ぶ方も多いそうだ。
こうした特徴的な味わいは、含有成分からも見て取れる。旨み成分のグルタミン酸は銘柄鶏の1.4倍、アミノ酸総量も1.4倍多く含まれているという。また雑味や臭みにつながる脂質は6分の1しかなく、ヘルシーなのも特徴だ。
土佐ジローの新鮮なお肉を食べられるジローのおうちにはこれまでに多くの人が訪れ、リピーターも多いという。安芸市街地から車で40分以上、携帯電話の圏外という立地にもかかわらず、これだけの人が訪れていることがその美味しさと居心地の良さを物語っている。
はたやま夢楽では土佐ジローを食肉用メインで生産しているが、卵の生産も少量だけ行っている。土佐ジローはオスとメスが一緒に飼育されており、卵は全て有精卵。毎日は産まないため、希少な卵と言える。
小さな土佐ジローから産まれる卵は、やはり小振り。重さ40g程度で、スーパーに並んでいる鶏の卵でいうとSサイズ相当だ。しかし小さいながらも味は濃厚。硬い殻を割ると出てくるプリプリの大きな黄身には強いコクがある。卵かけご飯にして食べると、昔懐かしの卵らしい味を感じられるはずだ。
朝食で食べられる卵かけご飯
はたやま夢楽が生産する土佐ジローのお肉と卵は、ホームページからも購入できる。お肉のラインナップは、モモやムネなど馴染みあるものから白子やトサカなどの珍しいもの、ハンバーグやレバーペーストといった加工品までバラエティに富んでいる。
中でも初めての方におすすめなのは、土佐ジロー鍋セット(冷凍)。食べやすいサイズにカットされたモモ、ムネ、ササミと、コショウが効いたつみれ、土佐ジローの鶏ガラなどを畑山の地下水で煮込んだスープのセットだ。土佐ジローの美味しさと、畑山の自然の恵を存分に感じられるだろう。スープには味付けをしていないため、水炊きやみぞれ鍋はもちろん、すき焼きやキムチ鍋などアレンジを楽しめるのも嬉しいポイントだ。
卵については1日に産む数が少ないため、お届けまでに日数がかかることもある。希少性の高い卵と理解の上、余裕を持って注文していただきたい。賞味期限は発送日より冷蔵保存で2週間。その間は生でも食べられる。おすすめの食べ方は、濃厚な味わいを実感できる卵かけご飯だ。
はたやま夢楽の希少な土佐ジロー。お取り寄せして新たな味わいに出会ってみてはいかがだろうか。
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