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芋に向き合い挑戦し続ける
芋屋金次郎の、
イメージを覆す「芋けんぴ」

さつまいもを棒状にカットして油で揚げ、砂糖蜜を絡めた素朴なお菓子、芋けんぴ。芋かりんとうという名で親しまれている地域もあります。実はこの芋けんぴは、高知県の郷土菓子。江戸時代から高知県では、小麦粉を棒状に焼き固めてつくった干し菓子を「けんぴ」と呼んできました。その形状に似ていることから「芋でつくったけんぴ=芋けんぴ」と命名されたと言われています。

現在、高知県には芋けんぴを生産する会社が十数社あるそうですが、その一つが澁谷食品株式会社。素材となる芋の苗づくりから芋けんぴの加工まで手掛け、生産量日本一を誇る会社です。また一般消費者向け直販ブランドである「芋屋金次郎」も展開。オンラインショップはもちろん、2005(平成17)年には、当日揚げたての芋けんぴや、焼きたてのスイートポテト、お芋のモンブランなどのオリジナル芋菓子を提供する直営店舗も高知県内にオープン。現在では福岡、愛媛、香川、大阪、東京など全国8店舗に拡大しています。

高知県高岡郡日高村にある澁谷食品の本社に伺い、総務部長の福田賢さんに、芋屋金次郎のあゆみやこだわりの芋けんぴづくりについてお聞きしました。

Contents

芋けんぴのイメージを覆す

澁谷食品が一般消費者向けに直接販売を始めたのは1996(平成8)年のこと。百貨店の催事への出店という形だった。それまで澁谷食品では問屋経由でスーパーなどに芋けんぴを販売していた。しかし自社でも価格を決定したい、購入するお客様の反応を直接見たいとの思いから、お客様に直接販売できないかと考えるように。そんな折、大阪の百貨店で当時は珍しかった催事があることを知り、出店して芋けんぴを量り売りすることにしたのだ。

こうして直販を始めたものの、催事は2週間ほどの短期間で終了。一時的な催事に頼るのではなく自分たちの店舗が必要と考えるようになり、2005(平成17)年、ついに本社がある日高村に直営店舗をオープンした。直販のブランド名は「芋屋金次郎」に。金次郎というのは澁谷食品初代代表取締役の名前。初代が築いた礎の上にできたブランドであることから、敬意を込めて名付けたという。その後、芋屋金次郎は高知県内だけでなく福岡、愛媛、香川、大阪、東京にも店舗を展開。現在は8店舗に拡大している。

「芋屋金次郎は『これが芋けんぴ!?これがお菓子!?』とイメージを覆す商品をご提供したいという思いでやっています」と福田さん。その一つが揚げたて芋けんぴの提供。店舗内に工房を併設し、いつでも店頭で揚げたての芋けんぴが並ぶ。フレッシュなその味わいは感動するほどの美味しさだそう。その感動が反響を呼んでいるのだろうか、芋屋金次郎の売り上げは卸の売り上げに迫る勢いだという。「芋屋金次郎により、高知の郷土菓子である芋けんぴの認知も徐々に拡大してきていると思います」と福田さんは笑顔をのぞかせる。

お話をお聞きした、総務部長の福田賢さん

芋に寄り添う芋けんぴづくり

澁谷食品の芋けんぴに使われる主なサツマイモは、コガネセンガン。皮も中身も白い、ジャガイモのような見た目をしている。油との相性が良く、甘すぎず芋らしい味がするため、油で揚げて糖蜜を絡める芋けんぴに最適だそう。

澁谷食品ではこのコガネセンガンを種芋から育て、苗を鹿児島・宮崎を中心とした契約農家さんに提供し、育ててもらっている。「コガネセンガンは季節性のある作物。その特徴に合わせた方法で、芋けんぴをつくらなければなりません」と福田さん。コガネセンガンの収穫時期は8月のお盆明けから11月10日前後まで。この時期に1年間の芋けんぴづくりに必要な量のコガネセンガンが契約農家さんから工場に届く。届いたその日か翌日には棒状にカットし、油で2度揚げして水分をほとんどなくした状態で8℃の冷蔵庫に入れる。翌年のコガネセンガンが収穫されるまでは、冷蔵庫から必要分を出してきて、もう一度油で揚げて糖蜜を絡め出荷するのだ。

素人考えだと、届いたコガネセンガンを加工せずにそのまま常温保存しておけば数カ月は持つのではないかと思ってしまうが、それはできないという。さつまいもは収穫から時間が経つと熟成して糖度が上がる。コガネセンガンにもそれは言えるが、糖度が高くなった状態のものを油で揚げると黒くなり、見た目も味も悪くなってしまうそう。黄金色の美味しい芋けんぴは、作り手が芋に寄り添うことで生み出されるのだ。

芋けんぴづくりに欠かせないコガネセンガン

試行錯誤しながら苦境に立ち向かう

芋に向き合い、芋けんぴをつくってきた澁谷食品。しかし近年では芋の特徴だけでなく、病気にも向き合う必要が出てきているという。「日本では2018(平成30)年から『基腐病』が流行っています。サツマイモが腐ってしまう恐ろしい病気です」と福田さん。コガネセンガンは基腐病に弱いため、予定していた量の半分しか収穫できないこともあるそう。

基腐病の対策として、澁谷食品では2003(平成15)年に立ち上げた農業法人ヤゴローフーズで試験的に病気になりにくい土づくりをし、契約農家さんに情報提供しながら打開策を探っているという。また病気に強い品種に合わせた、カットやフライの方法を研究しているともいう。「味を落とさずに一定量の芋けんぴを流通させる責任が、私たちにはありますから」と福田さんは力強く言う。その言葉を聞いていると、いつの日か課題を乗り越え、今以上に美味しい芋けんぴを私たちに届けてくれるだろうと思えてくる。

店内にはモンブランやスイートポテトなど、芋けんぴ以外の商品も豊富

安心、素朴な美味しさを再発見

澁谷食品では今後、コガネセンガンの病気対策を続けるのはもちろん、芋屋金次郎の更なる拡大にも挑みたいという。直営店舗については、まだ出店していないエリアなどへの進出を視野に入れている。従業員教育にも力を入れているため少しずつにはなってしまうが、お客様に喜ばれるような店舗を増やしていきたいそうだ。また新たなお菓子づくりに挑戦し、直営店舗やオンラインショップで販売していきたいとも考えている。もちろんベースになるのは芋。これまでと変わらず、イメージを覆すような美味しい芋のお菓子を生み出してくれるはずだ。

最後にお客様へのメッセージは?と福田さんにお聞きすると「お子様からご高齢の方まで、安心してお召し上がりください」という言葉が返ってきた。芋けんぴは芋、油、砂糖からなるシンプルなお菓子。添加物を一切使用していないため、アレルギーなどの心配も少ないという。またサツマイモに豊富に含まれる食物繊維やビタミンCは加熱しても残ることから、ヘルシーに食べられるのも嬉しいポイントだ。芋屋金次郎の直営店舗やオンラインショップをのぞいて、芋けんぴの魅力を再発見してみてほしい。

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