

贈る喜び、贈られる楽しみ。ギフトは贈る人と贈られる人を笑顔にします。既存の詰め合わせやカタログから選ぶなど種類も多彩ですが、どうせなら高知らしい、高知の魅力が伝わるものを送ってみたいものです。
高知市知寄町にある「株式会社 G&F」は、高知で生まれ育った矢野貴久さんが大学卒業後、父が営んでいた贈答品販売会社でギフト業を学び、2021 年(令和 3 年)に開業したギフトショップです。
幅広いネットワークで県内各地からこだわりの商品を集め、オリジナリティ溢れる内容で様々な企業のノベルティギフトや個人の贈答品で人気を集めています。
今回は「高知を贈ろうギフトコンクール」の大賞にも輝いた主力商品の「土佐づつみギフトセット」をはじめ、ギフトに使われる地場産品や贈答業の魅力についてお聞きしました。
県外の友人や取り引き先への贈り物で高知らしさを伝えたい、堪能してもらいたい。そう思ってはみるものの自分で買い集めたり、梱包&発送の手間を考えてあきらめてしまう人も多いのではないでしょうか?
知寄町電停二丁目からすぐの場所に店を構える「株式会社 G&F」は、取締役の矢野貴久さんが県内各地から見つけてきた地場産品や加工品を活かした贈答品をメインに扱う企業です。
「株式会社 G&F」設立以前を含め、20 年以上に渡り贈答品業に携わってきた矢野さんに、事業内容や高知の地場産品の詰め合わせギフトなどについてお聞きしました。
「贈答品、ギフトと一言で言っても幅広く、G&F が主にやっているのはノベルティギフトですね。企業が顧客や関係先に配る贈答品で、後は冠婚葬祭やハレの日、お中元&お歳暮にというところでしょうか」。そういった贈答品といえば洗剤やビールの詰め合わせ、もらった人が贈られたカタログから好きなものを選ぶというのが主流。矢野さんはそれに高知らしさを加えられないかなと考えました。
「洗剤やビールはもらってうれしいはうれしいけど、使う人や喜ぶ人が限られてしまう。贈られた先のみんなが楽しめる。高知の商品を入れることで、高知に興味を持ってもらえるかもと思っていましたね」と話し
てくれました。
矢野さんが「株式会社 G&F」を開業したのは 2021 年(令和 3 年)。起業して、これから頑張っていこう とした翌年、新型コロナウイルスが世界中に蔓延。
日本でも感染が拡大し、その影響から企業は懇親会や社内イベントを取りやめ、出社しないリモート勤務に 移行。冠婚葬祭も中止、参列を控えるようになり、コロナ禍によって贈答品業界は大ダメージを受けました。
百貨店のオンラインショップへの卸しやTシャツ&タオルへの特殊印刷事業などでお店は存続できましたが、地元の生産者が倒産、廃業する姿を見て、自分のことのように苦しかった、なんとかできないものかと思ったそうです。
その思いと以前から考えていた高知の魅力を発信したいという気持ちが組み合わさり、地元生産者による食 品や加工品、調味料などがセットになった「土佐づつみギフトセット」が誕生しました。
高知らしさが詰まった宝箱のような魅力溢れるギフト。
風呂敷での贈答は縁を “結び”、“広げる” という意味も。
こちらのオリジナルギフト「土佐づつみギフトセット」で目を引くのは風呂敷に包まれた、その姿。風呂敷にしたのは何が入っているのだろうとワクワクしながら結びを開く楽しみを味わい、商品を見て笑顔になってほしいという思いから。
また、化粧箱や中の仕切りは廃棄されることが多いのですが、風呂敷にすることでそれらを極力減らし、再利用できる環境に優しい&配慮した SDGs の意味合いも。
風呂敷に包んで持っていくというスタイルが日本ならではの趣ある風習を彷彿とさせ、贈る側、贈られる側の双方から喜ばれています。
高知家のロゴがあしらわれていることもあって、高知県や高知市の職員が他県などを訪問するときに持参する手土産を包む風呂敷としても使われており、「とさのさとアグリコレット」限定で風呂敷だけの販売もされています。
その後、風呂敷だけでなく手ぬぐいやトートバッグを使用したギフトもギフトコンクール 2023 で大賞受賞を果たすなど、高い評価を得ています。
2way トートバッグに商品を詰めたギフトセットも人気。
土佐づつみギフトセット」に盛り込まれる商品は、予算や在庫状況によって変わりますが高知定番のお菓子をはじめ、ふりかけやおつまみ、ドリンクなど多彩。これは子どもからおじいちゃん、おばあちゃんまで みんなが楽しめるものをという矢野さんの思いからです。「家族みんなが笑顔になれる、食べ比べることでコミュニケーションをとったり、団らんのお手伝いになれたらと選んでいます」と矢野さん。
扱う商品は展示会などで知り合った人や他の生産者から紹介してもらったものが大半。これまでの贈答業で培ったノウハウをフルに活かし、これはという商品を矢野さん自ら選んでいます。
「高知は山・川・海の全てが揃った恵まれた県で素材の組み合わせ次第で美味しいものがどんどん生み出される環境だと感じています。生産者さんや加工業者さんとの出会い、その方々からまた新しい、意欲のある人を紹介してもらってと、人と人の繋がり、うれしい連鎖が続くことで頑張れますね」と矢野さん。
「高知を贈ろうギフトコンクールで連続入賞を果たしたときに、自分のやってきたことは間違ってなかった、生産者さんたちの商品が持つポテンシャルが評価されてよかったです」とも話してくれました。
店舗をバックに矢野貴久さん(写真右)とお母様(同左)。
「株式会社 G&F」は贈答業の他にも、自社で開発した商品の販売にも取り組んでいます。
なかでも「幻の柑橘」と呼ばれる、直七を使用したノンアルコールの微炭酸飲料「直七スパークリング」はグルメ&ダイニングスタイルショー ビバレッジ部門で準大賞、梼原町で無農薬栽培された八重桜の砂糖漬けをグラスに浮かべ味わう「桜スパークリング」は同部門で大賞に選ばれ、県内外から注目されています。
「直七スパークリングは、直七を作っている農家さんと知り合った当時は今ほど知名度もなくて、加工品も ポン酢やドレッシングぐらいしかなかったんですね。こんないいものがあまり知られていないなんてもったない。少しでも盛り上げたいという気持ちから生まれたものですね。果汁が 8% と他のドリンクに比べて 高めで直七が持つ口当たりのよい酸味と、希少糖のキレのよい甘みと炭酸の爽快感で人気です。展示会にも持っていくんですけど、県外の人が直七ってなんですか? と興味をもってくれますね」と矢野さん。
また、ギフトに詰めるアイテム選びや自社で商品を開発するときには、子どもからお年寄りまで安心して味わえる体に優しいものをセレクトしていますと矢野さんは話してくれました。
幅広い事業や豊富な知識&経験、熱意を持つ矢野さんにアドバイスしてもらいたい、また相談や急なお願い等で訪れる人も多く、よろず屋的な存在になりつつありますね(笑)と矢野さん。八面六臂の活躍で県内だけでなく県外からの問い合わせや注文も増えているそう。
最後に贈答業の魅力について伺うと、「win-win という言葉があるじゃないですか。お客様と企業が共に満足できるという意味で。贈答業は自分と生産者さん、贈るお客様と贈られるお客様が win-win-win-win になる素敵な仕事だと思っているので、これからも頑張っていきたいですね」と矢野さんは話してくれました。
贈答以外にも自分へのご褒美として購入される人も多いとか、一度チェックしてみてはどうでしょうか?
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