全国の珊瑚業者の約8割が集積
高知の特産品の中でも評価が高く、なかでも「血赤珊瑚」は「トサ」の代名詞で世界中から注目されています。日本で初めて宝石珊瑚が発見されたのは19世紀の頃。土佐藩の地理・産物を記録した文献「南路志」によると、この頃にはすでに室戸沖や足摺沖で、漁業のかたわら珊瑚が採取されていたようです。しかし土佐藩では幕府への思惑があってか、珊瑚の所持や販売を禁止し、藩に差し出すお触れを出しています。ところがその政策にも係らず、もっぱら密猟で捕られていたようです。高知は豊富に宝石珊瑚が採取できたことと、優れた加工技術の伝承を背景に、全国の珊瑚業者の約8割が集積する珊瑚業界の中心地です。
