米、酵母、水が醸し出す、芳醇辛口系土佐の地酒/亀泉酒造
亀泉酒造株式会社
皿鉢料理、はし拳、べく杯・・・「土佐の宴席には、終わりの合図はない。」と言われるほど、土佐の酒文化は深いものがある。
亀泉は、そんな土佐の酒文化の一翼を担い、現在では、芳醇辛口系の地酒として全国的に知られるようになった。
社長であり杜氏でもある西原一民(さいばら・かずひと)さんに、酒づくりのこだわり、旨さの秘密を聞いた。
仕込み水のこだわり―100年の湧水―
亀泉の名前は、藩政の時代から、どんな干ばつにも涸れることのない街道一の湧き水を使用したことから万年の泉、「亀泉」と名付けられた。
急峻な山を背にする高知では、豊かな水をたたえる河川が多い。酒づくりを目指す者は、良い水のある場所を探す。酒の80%は水だというから、水が酒の旨さに関わるのは頷ける。
100年の時を経た今でも、井戸からはこんこんと水が湧き出ている。街道を行き来する人達もこの水で喉を潤していたのだろう。
一口含んでみると、何とも軟らかな感覚が口に広がる。水質は軟水であり、仕込み水として使用すると、酵母のおだやかな発酵を助け、やわらかな口当たりの酒に仕上げる。
米のこだわり―高知産米
米は酒の味の違いに関わってくる。
亀泉では、「山田錦」を母とし、高知の気候、風土に合った酒米研究の末に誕生した高知県第一号の酒造好適米「吟の夢」や第二号の「風鳴子」、酒造適正米「土佐錦」といった高知県産米などを酒に合わせて厳選し、使用している。
酵母のこだわり―高知酵母
酵母は酒の香りの違いに関わってくる。
高知は暖地醸造に分類され、発酵が進みやすく酵母に負担がかかりやすい。 その条件でもしっかり発酵できるよう、高知県で開発された5種の酵母等を使用。
同じ純米吟醸でも使用する酵母によって、飲む前に強く香るものと、飲んだときに口に香りが強く広がるもののように、楽しみ方に違いをつけている。
また、高知酵母により、しっかりした酸味の、飲みごたえのある酒に仕上がるのも特徴だ。
東京では赤鬼(三軒茶屋)、しんばし光寿(新橋)、鈴伝(虎ノ門)といった居酒屋でも楽しめる。 土佐の男たちに選ばれた酒を一度は試していただきたい。
生産者情報

亀泉酒造株式会社
- 住所:〒781-1142 土佐市出間2123-1
- 電話:(088)854-0811