吉平の土佐あわせしょうが
吉平(きっぺい)商店
高知県としょうが
実は、高知県はしょうが栽培の大産地。高知県では主に根しょうがが栽培されていて、高知県産の販売量は、国産しょうがの半分以上を占めるほどなんです。
また、しょうがには、胃や腸の働きを活発にし、食欲増進作用がある成分が含まれていますし、冷え症やカゼにも効果があると言われているので、これからの季節、「エアコンで体が冷える」という方にはオススメです
シンプルな工程としょうがとの濃密で静かな会話
しょうが産地の高知県で、工夫ひとつで幅広く使える「吉平の土佐あわせしょうが」を作っているのが、吉平商店の吉本さんです。
同品は、上白糖以外の素材を一切加えず、しょうがそのものの風味を引き出す製法。なんと、水さえも加えていません。
作り方は、まず、保存に最適な温度と湿度が得られる洞穴で管理されたしょうがを、厚さ5ミリ程度に裁断し、生搾り。1日寝かしたしょうが汁を、砂糖とともに大釜に注ぎ、火力を調節しながら何度となく炊き、濃縮させていきます。
吉本さんいわく、「煮だつ時に出る泡はしょうがの表情。しょうがの訴えかけてくることを見て、会話しながらという感じ」とのこと。長時間釜から目を離せられない、沈黙の時が流れるそうです。
シンプルで分かりやすい作り方ですが、素材のしょうがも全てが同じわけではないので、釜炊き時の"会話"が重要になってきます。経験と感覚のなせる技でしょうか。
「添加物に頼って一定の規格に保つ方法もありますが、私の姿勢は、無添加かつシンプル。しょうがと砂糖のみで洗練された商品です。結果、瓶の中でもしょうがが生きているので、作りたてはキリッとした味わい、熟成させるとアメ色になり、まろやかさが出てきます。ワインと同じ感覚ですかね。」
(1)厚さ5ミリ程度に裁断
(2)しょうが汁を生搾りし、一晩ねかす
(3)大釜で炊く
(4)瓶詰め
※取材日は製造日ではなかったため、作業の様子を再現していただいています。
日曜市でも大人気。好みに合わせて、あわせしょうが
日曜市で会いましょう。
晴天の日曜市。お試し感覚で飲める1杯100円の冷やしあわせしょうがをご馳走になっていると、店頭に並ぶ瓶詰めタイプを、20代前半のカップル、お母さん世代、と次々に道行く人が買っていきます。---幅広い年代の方に人気ですね。
若い人も「おいしい」と言って買ってくれますよ。お客さんにいろいろな説明をして、「あ~そうなのか」と納得してもらえたらうれしいですよね。
冷水や炭酸水で割って。
観光で高知に来られた時に購入された方が、「あの味が忘れられない」と電話で注文されることもあるほどの根強い人気ぶり。これからの季節だと、冷水で6~8倍に薄めて飲むのがオススメです。炭酸水で割ってスカッと飲むのもいいですよ。煮物に使うなら、砂糖とみりんを加えず、ダシなどで割って使います。シンプルなゆえに、好みに合わせて、いろいろなものに試してはいかがでしょうか。
生産者情報

吉平(きっぺい)商店
- 住所: 〒785-0030 須崎市多ノ郷甲1139-72
- 電話:0889-43-0107