高知の生産者紹介

パンのピノキオ

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四万十 青のり・川えびラスク

パンのピノキオ

四万十 青のり・川えびラスク

高知市から車で約2時間半の四万十市中村。今なお多くの自然が残る同市の代名詞とも言えるのが、最後の清流とも呼ばれる四万十川。多くの観光客が訪れ、その美しさで彼らを魅了するのはもちろん、そこでとれる四季折々の味覚も人気の秘密です。
今回、四万十川でとれる青のりと川えびを使ったラスクを製造・販売している同市の老舗パン屋さんを取材。店主の山脇さんに四万十川どれの食材とパンの意外なコラボレーション誕生の経緯などについて聞いてみました。

平永店長高知を代表する観光スポット・四万十川。そこでとれる食材を使った商品が数多くありますが、パンとの組合せは斬新でお客さんにも好評です。口当たりも軽く、青のりはお茶菓子のお供に、川えびはスナック菓子感覚で、また、料理やサラダの付け合わせてとしてもピッタリですよ。(コウチ・マーケット 平永店長)

発祥は四万十市の老舗パン屋さん

四万十 青のり・川えびラスクを考案したのは、四万十市中村にある老舗パン屋さん「パンのピノキオ」の店主・山脇寿且さんです。
山脇さんがパン屋さんになったのは、今から約40年前でお父さんの勧めから。「当時はパン自体が珍しく、食べたくてね。で、農業をしていた親父から“やがて、ご飯のようにパンを食べる時代が来るから”って、パン屋になることを勧められたんです」と山脇さん。
そして、中学校卒業後、土佐清水市のパン屋さんや中村市(現・四万十市中村)の右城松風堂さんでの修業を経て、29歳で独立しました。「子どもたちにも親しみを持ってもらえるように、店名をピノキオにしました。当時はあんパンやクリームパン、帽子パンとか、今みたいにパンの種類も多くなかったですね。また、フランスパンなどの固いパンも最初の頃はあまり好まれていなかったですね」と当時を振り返りながら、山脇さんは話してくれました。
現在では、併設されたカフェで、のんびりとしたティータイムを過ごすことができ、ずらりと並ぶ充実の品揃えで「ピノキオ」は、学生から年配者まで、四万十市の人にとって欠かせないパン屋さんとして親しまれています。

店内定番から惣菜、菓子パンといった数多くのパンをはじめ、サンドイッチやクッキーなども並びます。

カフェ木の温もりに満ちたカフェスペースでは、パンやピラフ、ドリンクなどが味わえます。

四万十ならではのパンを目指して

「四万十川の近くでパン屋をやっているなら、そこの食材を使ったパンを作ってみたい」と日頃から考えていた山脇さんは、今から3~4年前に四万十川ならではの青のりと川えびを使ったパンを作ろうと思い立ちました。
しかし、現在のラスクのスタイルになるまでには、四万十川の色々な食材を練り込んだり、パンにそのままのせて乾かしたりと試行錯誤を繰り返し、誕生までに約半年の時間を必要としました。

川えびラスク四万十の川えびラスク(1袋250円)
※パンのピノキオさんでの店頭価格です。

青のりラスク四万十川青のりラスク(1袋250円)
※パンのピノキオさんでの店頭価格です。

こだわりが詰まったラスク

そして完成した四万十 青のり・川えびラスク。 青のりは業者さんが細かくしたものを更に店舗でミキサーにかけて粉状にし、それを上質のマーガリンと合わせて、スライスしたフランスパンに塗っています。川えびはパリッパリに乾燥させ、フランスパンに練り込んでいます。それを焼いた後、ドイツ製の専用オーブンで丁寧に乾燥させます。
ラスクの薄さにもこだわりが。サクッとした歯触り、カリカリ感を出すために、一般のラスクよりも薄めにスライス。「厚くてもダメだし、薄すぎたら折れてしまう。食感のよさを出すために苦労しました。あと、十分に乾燥させないとこのサクサク感は出ないですね。」と山脇さんは話してくれました。

青のりラスク四万十 青のりラスク。口の中で優しく広がる青のりの香りが魅力的。シャリシャリとした砂糖、パンのサクサク感がたまらなく、一枚、もう一枚と手が伸びてしまいます。

川えびラスク四万十 川えびラスク。パンの随所にある赤い粒が川えびです。えびならではの旨みと、砂糖の甘さが意外にもマッチします。砂糖なしもあり、こちらはおつまみに最適です!

素材のおいしさを存分に引き出す

青のりや川えびは地元産の信頼できる業者さんから仕入れた物を使用。小麦粉は国産の物に移行していくそうです。
特筆すべきはパンに使われる塩。こちらでは高知県幡多郡黒潮町の海工房さんが作る釜炊きの塩「りぐる」を使っています。ミネラルが豊富に含まれる太平洋の海水を汲み上げ、天日で干した後、昔ながらの薪釜でじっくりとコトコト炊きあげた「りぐる」。天然のミネラルが凝縮され、まろやかですっきりとした味わいで、パンの風味を高めています。
フランスパンには専用のオーブンを用意。フランスパンの製法を限りなく現地に合わせるなどの工夫や努力もこちらの魅力です。

四万十ラスクの材料たち

青のり

パウダーのようにさらさらの青のり

川えび

パリパリに乾燥した川えび

天然塩

黒潮町の海工房さんの釜炊き天然塩

フランスパン

上質素材で作られるフランスパン

特別に四万十 青のりラスクを作る所も見せてもらいました。

マーガリン

【1】粉末状の青のりをマーガリンと合わせたもの(写真)と、薄くスライスしたフランスパンを用意します。

パンに塗る

【2】一枚一枚丁寧に手作業で、【1】の青のりマーガリンをパンに塗っていきます。

パンを焼く

【3】フランスパンを鉄板にキレイに並べて、釜に入れて焼きます。その薄さから、慎重に焼き上げるそうです。

完成

【4】焼いた後、ドイツ製の釜で乾燥。この間、釜の中に水分がこもらないように蓋は開けたまま。周辺は高温です。

他のラスクよりも焼きと乾燥で約50分と長めで、とにかく手間を掛けて作られる四万十青のり・川えびのラスク。
発売した当初は、「青のりや川えびと砂糖の組合せが受けるかなぁ」と半信半疑だったという山脇さん。しかし、地元の子どもたちがおやつ代わりに、その食感のよさに大人も「食べ出したら止まらなくなる」とハマる人が続出。店頭のみならず、四万十市の直販所でも販売されており、こちらでも好評を得ているそうです。
また、東京の高知県アンテナショップからも注文時に“四万十川のラスクが好評です”と言われるほどになりました。

ラスクのシリーズ化も!?

山脇さん店主の山脇さん。お店の垂れ幕と一緒に。

今のところ、四万十川ラスクは青のりと川えびのみ。商品のラインナップを増やすため、四万十栗などを使ってみようかといろいろ考えているそうです。
「商品を増やすのもいいけど、パッケージや包装もどうにかし、四万十市を代表するお土産品にしたい」と山脇さん。
メイド・イン・四万十のラスクのこれからの展開が楽しみです。

生産者情報

パンのピノキオ

  • 住所:〒787-0025 高知県四万十市中村一条通4-3-30
  • 電話:0880-34-4188
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