高知の生産者紹介

大豊町碁石茶生産組合

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大豊の碁石茶

大豊町碁石茶生産組合

大豊の碁石茶

四国のほぼ中心にある山間の町・大豊町。平均標高約450mで霧の発生が多く、お茶の生産も盛んな地域で知られています。日本で唯一、こちらで生育されている“碁石茶”は、健康飲料として人気です。しかし、生産者の減少により、一度は“まぼろしのお茶”となりかかった碁石茶。碁石茶の魅力や取り巻く環境などについて、大豊町碁石茶生産組合さんと生産者の小笠原章富さんにお話を伺いました。

商品イメージ歴史と伝統を備えた高知限定の“まぼろしのお茶・碁石茶”。独特の風味もさることながら、体にもよいとも言われる、その味わいに触れてみてはどうでしょうか?(コウチ・マーケット 平永店長)

幻のお茶“碁石茶”

碁石茶葉全国どこにもない独特の製法で作られる、日本で唯一の完全発酵茶“碁石茶”。中国・雲南省の酸茶がルーツと言われており、ほのかに酸味がある独特の風味が特徴です。
名前の由来は、製造の最終段階・天日乾燥時に、ムシロを並べた姿を遠めで見ると碁盤のように見え、ムシロの上の茶葉が碁石のように見えることから名付けられた説と碁石茶の商品1つ1つが碁石のように見えるところから来ている説の二説が現在では通っています。乳酸菌などが豊富に含まれており、近年では健康茶として注目を集めている碁石茶。その碁石茶を日本でただ一ヶ所、生産しているのが大豊町です。

大豊町が日本で唯一、碁石茶を生育

高知県東北端四国山地の中央部に位置し、一級河川吉野川が町のほぼ中央部を流れる大豊町。
碁石茶を生育しているのは大豊町の東梶ヶ内地区などの山間地で、平均標高430~450m、霧が多く、日照時間が長く、お茶の生育には適した場所です。
大豊町と碁石茶の歴史は長く、江戸時代初期には瀬戸内の島々との交易で、塩と交換で提供していたとか。塩分濃度の高い瀬戸内の井戸水と碁石茶の相性がよく、島の人たちが愛飲していた他、茶粥のダシとしても使われていたそうです。しかし、戦後、水道の整備により水道水と相性よく、価格も手ごろな緑茶が全国に広がり、碁石茶の消費量は減少。また生産にとても手間暇がかかることもあって、昭和50年代後半には大豊町でも生産者農家が1軒のみとなりました。

大豊町風景大豊町の中央を流れる吉野川。多くの自然が残り、澄んだ空気が心地よい町です。

茶畑大豊町の急斜面に広がる茶畑。写真の茶畑は標高約450mのところにあります。

碁石茶、復活

年間150キロの生産量にまで落ち込んだ碁石茶ですが、歴史的産物・研究分野では重宝され、大学関係者や研究施設の人たちが大豊町に訪れ、当時、唯一の生産者であった小笠原正春さんを励まし、小笠原正春さんも作り続ける以上は何とかしたいと思っていました。
昭和末期には町全体で碁石茶を守ろうという動きが起こり、平成に入り碁石茶博物館を開館。平成4年には碁石茶の生産農家が1軒増えて、2軒になりました。
そして、平成14年にテレビで「美容によく、便意にもよい」と紹介されたことをきっかけに、碁石茶は一気にブレイク。当時600kgあった碁石茶が3日間で売り切れ、ネット上では50gが2万8千円というプレミアム価格になったことも。
そうしたことも手伝って、平成15年には生産農家が3軒増え、平成17年には碁石茶生産組合を設立。現在では7軒の農家と1法人が「本場の本物」大豊の碁石茶を生産しています。
碁石茶生産組合では、品質の向上、生産者のクオリティ平均化などに取り組んでおり、平成19年には、「財団法人 食品産業センター」の日本各地の豊かな食文化を守り、育てるために設けられた表示基準「本場の本物」に認定を受けました。

認定証事務所に置かれた「本場の本物」の認定証。

ジャンパー碁石茶生産者用のジャンパーも作りました。

碁石茶が出来上がるまで

茶摘み

(1)茶摘み
自生する山茶と茶園のヤブキタを枝ごと刈ります。緑茶は5月の若葉の頃に摘みとりますが、碁石茶は肉厚な葉に育つ7月頃に刈り取ります。

蒸す

(2)蒸す
蒸し桶に茶葉を詰め、大釜で約2時間蒸します。

寝かす

(3)寝かす(カビ付け)
枝を取り除き、ムシロを被せて数日間おきます。

漬ける

(4)漬ける(乳酸発酵)
桶に漬け込み、重石をのせて数週間おきます。

切る

(5)切る
桶から取り出し、3~4cm角に裁断します。

乾かす

(6)乾かす
ムシロに並べ、数日間、天日乾燥させて出来上がりです。茶摘みからここまで、約60日を要します。

碁石茶作りの伝承者と碁石茶の未来

先祖代々、碁石茶を作り続けてきた小笠原家。5代目・正春さんの時には全国でただ一人の作り手として、碁石茶を守っていました。
現在は6代目の章富さんが後を継ぎ、新たに茶作りに参加した人たちにも惜しみなく技法を伝え、碁石茶の普及に尽力しています。章富さんに、碁石茶作りで大変な点について聞くと、「年に一回、一番暑いときに作業をしなくてはいけないことでしょうか。それが終わると、来年に向けて草を引いたり、手入れしたりしますね」と答えてくれました。
現在の碁石茶の人気については、「大学などの先生が研究した結果、碁石茶には体によい成分が多く入っていることが解り、多くの人に飲んでもらえる。作り手冥利に尽きますね」と話してくれました。
碁石茶のこれからについては、「代々受け継ぎ、私の親父は50年と少しやって、私も親父と一緒に25年ぐらいやりました。今は会社員の私の長男が時々、手伝ってくれて生育を覚えていっています。町や行政のほうも応援してくれるし、何より一緒に碁石茶を作る仲間も増えた。若い伝承者たちが育ち、大豊町の碁石茶はずっと続いていくんじゃないでしょうか」と小笠原章富さん。
碁石茶を使った加工品なども生まれ、様々な形で碁石茶が全国に広がっていくことでしょう。

小笠原章富さん碁石茶作りを代々行う小笠原家の6代目・章富さん。

茶畑の碁石茶葉すくすくと育つ碁石茶葉。来年の収穫が楽しみです。

生産者情報

大豊町碁石茶生産組合

  • 住所:〒789-0250 長岡郡大豊町黒石343-1
  • 電話:0887-73-0978
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