高知が世界の誇る、海の宝石。土佐珊瑚

  1. HOME
  2. 高知のえいもん、おいしいもん
  3. その他
  4. 高知が世界の誇る、海の宝石。土佐珊瑚

高知が世界の誇る、海の宝石。土佐珊瑚

その他 2017.04.01

高知が世界の誇る、海の宝石。土佐珊瑚

土佐の珊瑚について

土佐珊瑚高知県の特産品の中でも評価が高く、なかでも「血赤珊瑚」は「トサ」の代名詞で世界中から注目されています。
日本で初めて宝石珊瑚が発見されたのは19世紀の頃。土佐藩の地理、産物を記録した文献「南路志」によると、この頃にはすでに室戸沖や足摺沖で、漁業のかたわら珊瑚が採取されていたようです。しかし土佐藩では幕府への思惑があってか、珊瑚の所持や販売を禁止し、藩に差し出すお触れを出しています。ところが、その政策にも係らず、もっぱら密猟で捕られていたようです。
高知県は、豊富に宝石珊瑚が採取できたことと、優れた加工技術の伝承を背景に、全国の珊瑚業者の約8割が集積する珊瑚業界の中心地です。

全国、世界の高級珊瑚原木は高知に集結

宝石珊瑚地球上で珊瑚が発見された旧石器時代からローマ時代を経て長い間、宝石珊瑚の中心地は地中海でした。
しかし19世紀、土佐湾で極めて美しい宝石珊瑚が発見されて以来、日本は珊瑚産地に加わりました。明治になると、見事な原木を求めて、宝石珊瑚の本場イタリアのバイヤーが高知県に直接買い付けに来るようになりました。以後、高知県が世界の珊瑚産業の中心地となりました。
ヨーロッパのバイヤーは血赤珊瑚のことを「トサ」と呼び、高知県で生産される宝石珊瑚は「土佐珊瑚」と別格視されています。またイタリア産カメオの原木は日本(高知)より供給されています。

珊瑚のいろいろ

血赤サンゴ血赤サンゴ鮮やかな輝きと情熱溢れる濃い色彩で、究極のカラーと言われる血赤サンゴ。日本沿岸のみで採取され、原木名はアカサンゴと言い、宝石になると血赤サンゴと呼ばれます。

地中海サンゴ地中海サンゴ業界ではサルディニア(地中海の島名)と呼ばれます。はるかヨーロッパから中国を渡り伝来した宝石には幾多の物語があります。華麗な紅の輝きと神話にまつわる神秘の美しさに気品が感じられます。

ピンクサンゴピンクサンゴピンクサンゴの中でも、色調の薄い物はエンゼルスキンと呼ばれ、少し濃いものは、「フェニックス」と呼ばれており、愛らしい色調のジュエリーが魅力です。

シロサンゴシロサンゴ純白にきらめくシロサンゴは、深海ではるかなる時を過ごし、豊かな生命の結晶として誕生しました。
学術名は「コラリウム・コーノジョイ」。土佐で珊瑚採取網を考案した戎屋幸之丞(エビスヤコウノジョウ)に由来します。

魔よけの珊瑚

サンゴ古今東西問わず、血の色を想像させる宝石珊瑚の赤い色は、出産の神秘さや幸福な結婚、豊かな人生を象徴するものと尊敬され、災難や病気から人々を守る霊力があると信じられていました。古代ローマ人は、子供の幸運と成長を願いゆりかごや首にかけ、兵士はお守りとして肌身につけていたと伝えられています。一方、英国王室では、王女誕生から一年は宝石珊瑚をベッドに飾る習慣があったそうです。現在でも、子どもの成長や妊婦さんのお守りとしてや花嫁道具の一つとして重宝されています。
また、高知県の幡多地区では、幼児の手首に数珠を持たせていました。これは珊瑚が汗で曇る特性を利用して発熱を察知していたそうです。

この特産品を使った産品を探す
バイヤーの方へ
県産品データベースへ

その他カテゴリの特産品

土佐の木工品。職人の熟練の技が冴える「森の芸術作品」

その他 2017.04.01
森林豊かな高知 森林面積が県土の80%以上を占める日本一の森林県。この環境下で暮らす高知県人は、山の機嫌を伺い、海を育み、大地を守ってきました。山を守ることは、ただ木を伐採しなければ良いということではありません。木の特性を知り、間伐を行うことで、山は荒れることなく継続していきます。そして健康な山から、家や家具になる丈夫な木が育まれます。その工程で生まれる間伐材は、捨てられることなく新しい息吹を与えられ木工製品として生まれ変わります。 これらはエコロジカルという枠を超え、温かみを与えるととも...

高知の歴史と自然が紡ぎ出した工芸品。土佐和紙

その他イチオシ 2017.04.01
千年以上の歴史と技術を引き継ぐ土佐和紙 やさしい手ざわりとあたたかな風合いの和紙。高知にも“土佐和紙”と呼ばれる手すき和紙の伝統が古くから受け継がれています。 その歴史は、さかのぼること約1000年前。平安時代に編纂された「延喜式」に献上品として土佐和紙の名が出ていることから、その当時から和紙がつくられていたと考えられます。 仁淀川をはじめとした豊かな清流のもと、楮(こうぞ)、三椏(みつまた)などの原料の生産や抄紙技術とともに発展し、土佐の主要な特産品としてその歴史を刻んできました。 明治...

高知の伝統工芸品。土佐珊瑚・土佐打刃物・土佐和紙・木材

その他 2017.04.01
今に息づく 土佐の技 土佐の伝統工芸品を支えているのは、匠たちの技です。優れた自然素材を巧みな技で仕上げ、県内外で、世界で、高い評価を得ています。先人たちが培ってきた匠の技は、脈々と受け継がれ、さらには、新しい創意、工夫も加えられ、高知を代表する特産品として多くの人に愛されています。 恵まれた自然素材 高知の伝統工芸の数々は、豊かな自然と風土とともに育まれてきました。清流と豊富な原料に恵まれ、1000年以上前から受け継がれてきた「土佐和紙」。温暖多雨な気候が生み出した「杉材」などの木材。そ...

土佐打刃物。土佐の刃物は折れず、曲がらず!これぞ職人の魂

その他 2017.04.01
土佐打刃物とは 全国屈指の温暖多雨地で良木に恵まれ林業が栄えていた高知県。同時に伐採に必要な打刃物も長い歴史を誇っています。 鎌倉時代後期には、大和の国から移住した五郎左衛門吉光派が室町末期まで繁栄。戦国乱世の中、武具刀剣などの需要に応えていました。天正18年(1590)、土佐一国を総地検した長宗我部地検張には、399軒の鍛冶屋がいたと記されています。江戸時代には、土佐藩による森林資源確保や新田開発政策が遂行され、打刃物の生産量と品質は向上し隆盛期を迎えます。 現在、江戸時代の技術を継承し...

深海からの贈り物。室戸海洋深層水

その他イチオシ 2017.04.01
深海からの贈り物 室戸海洋深層水 海洋深層水とは、深海すなわち陸棚外縁部より深いところ、およそ水深200メートル以深にある海水のことです。 室戸沖で海洋深層水をくみ上げることができるのは、室戸独特の地形があってこそ。室戸岬沖には穏やかな大陸棚がほとんどなく、陸地に近いところから深海まで急激に落ち込んでいます。この急角度の崖に沿って、深層から「湧昇流」といわれる海流が昇ってきます。このため、本来なら1000mもの深い海をめぐる流れを、水深300m余りの地点でキャッチすることができるのです。...