アイスクリン。アイスクリームでもかき氷でもない、シャリシャリ食感!
「アイスクリン」とは
高知を代表するスイーツと言えば、「アイスクリン」。砂糖、卵、脱脂粉乳、バナナ香料等で作られる乳脂肪分3%以下の氷菓子のことで、見た目はアイスクリームですが、専門的な分類によると、かき氷の仲間になるのだそう。舌触りはアイスクリームよりあっさり、かき氷よりしっとり。独特のサクサク、シャリシャリの食感と、さっぱりとした甘さはやみつきになること請け合いです。定番は、ほんのりバナナ味の白いアイスクリンですが、抹茶・ゆず・あずき・いちご・メロン・みかん・ソーダ・チョコレートなどもあり、バラエティ豊かな味が楽しめます。
まっちゃ
ゆず
いちご
チョコ
なぜ高知名物になったの
「アイスクリン」は、20年ほど前までは全国どこにでもあったようですが、いまもこれだけ街中で普通に売られているのは高知だけだそうです。実は戦後、物資不足とあまり儲けもないということで、昭和30年ごろには組合の人数も20人までに減少しました。しかし自動車の普及で、ドライバー目当てに道路脇で販売するアイスクリン屋さんが急増し、県内に100本以上のパラソルの花が咲きました。その間、「アイスクリン」の名称の珍しさや、高知にアイスクリンの商売人が多いということが、マスコミに取り上げられ、高知名物として親しまれるようになったのです。
アイスクリンはここがおいしい
甘さ控えめのあっさりした風味が、高知の風土に合っているからでしょうか。高知では子どもからお年寄りまで、みんな「アイスクリン」が大好きです。桂浜や高知城などの観光地に売られているのはもちろん、国道沿いや道の駅などあらゆる場所でアイスクリンを売る移動式のパラソルが見られます。ドライブの途中に、家族で遊びに行ったときに、飲み会の帰りに、買って食べ歩きをするも良し。買いだめして冷凍庫に入れ、お風呂上がりに少しずつ食べるのも良し。すっきりとした味とほのかな甘さが疲れを癒してくれます。普通のアイスクリームと違って甘すぎないので、ついつい食べ過ぎてしまうかも!?
「アイスクリン」の歴史
アイスクリームを日本で最初に食べたのは、明治維新の立役者、勝海舟や福沢諭吉たちです。渡米視察(万延元年:1860年)の時に船上にてアイスクリームを食べたと言われ、その後、「珍しき物有り 氷をいろいろに染め、物の形を作る。これを(あいすくりん)という」と、その帰朝報告書に記されています。
日本では、明治2年、横浜馬車道通りで町田房蔵という人が、“あいすくりん”として製造販売したのが始まりです。高知では、大正10年、高知アイスクリーム商工業協同組合が設立され、130人の組合員が県内各地で行商をしていました。