宗田節(メジカ節)・鰹生節
土佐清水市の名産品 宗田節(メジカ節)
鰹の仲間であるマルソウダ(メジカ)から作られる宗田節は、高知の西端に位置する県内でも有数の漁業の町、土佐清水市の名産品であり、全国シェアの7~8割を誇っています。
マルソウダは伝統の曳き縄漁で一尾一尾丁寧に釣り上げ、十分に冷却したまま、その日のうちに市場に水揚げされます。
手間ひまかけた伝統製法
新鮮なマルソウダは節納屋と呼ばれる宗田節の製造工場に運ばれ、宗田節に。その製法は、マルソウダを大きな釜で煮て、冷めないうちに一尾一尾丁寧に頭、内臓、中骨を手作業で取り除く「セイロ取り」をし、まきに火をくべて焙乾したのち天日干しをするという昔ながらのもの。原料であるマルソウダの品質の良さはもちろん、職人の腕も物を言う逸品です。
そんな宗田節は、かつお節に比べ、原料に血合いが多いため、コクがあって力強いダシがとれます。豊かな薫りと旨みが凝縮されたダシは、古くからプロの料理人に愛され、特に麺類などの濃いダシを必要とする料理に欠かせない存在です。
また肝臓の機能を高めたり、血圧の上昇を防ぐ働きがあるといわれるタウリンの量も鰹節に比べ、3倍以上含まれているとのデータもあります。(*高知県工業技術センター調べ)
高知じゃおなじみ 鰹生節
高知で節、と言えば鰹の生節のことです。鰹を1、2日燻製させたもので、枯節(削り節の原料)よりも柔らかく、包丁でスライスしたり手でほぐすことができます。
高知に鰹の生節が伝わったのは江戸時代の頃。足の早い鰹を燻製にすることで日持ちを良くし、保存食として親しまれるようになりました。栄養価も高いことと「勝男」と書けることから、戦に持っていく縁起物としても重宝されたと伝えられています。
鰹の風味と旨みが凝縮された味わいがあり、スライスしてそのまま食べたりマヨネーズをかけたりして酒の肴に。また、ツナフレークのようにサラダやパスタとあえたり、煮物にしたりと食べ方は自由自在です。