日本有数の刃物の産地
全国屈指の温暖多雨地で良木に恵まれ林業が栄えていた高知県。同時に伐採に必要な打刃物も長い歴史を誇っています。鎌倉時代後期には、大和の国から移住した五郎左衛門吉光派が室町末期まで繁栄。戦国乱世の中、武具刀剣などの需要に応えていました。天正18年(1590)、土佐一国を総地検した長宗我部地検張には、399軒の鍛冶屋がいたと記されています。江戸時代には土佐藩による森林資源確保や新田開発政策が遂行され、打刃物の生産量と品質は向上し隆盛期を迎えます。現在、江戸時代の技術を継承し、機械化も最小限にとどめて、日本でも有数の刃物の産地として今に至ります。