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高知の歴史と自然が紡ぎ出した工芸品。土佐和紙

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高知の歴史と自然が紡ぎ出した工芸品。土佐和紙

その他イチオシ 2017.04.01

土佐和紙

千年以上の歴史と技術を引き継ぐ土佐和紙

土佐和紙包丁やさしい手ざわりとあたたかな風合いの和紙。高知にも“土佐和紙”と呼ばれる手すき和紙の伝統が古くから受け継がれています。
その歴史は、さかのぼること約1000年前。平安時代に編纂された「延喜式」に献上品として土佐和紙の名が出ていることから、その当時から和紙がつくられていたと考えられます。

仁淀川をはじめとした豊かな清流のもと、楮(こうぞ)、三椏(みつまた)などの原料の生産や抄紙技術とともに発展し、土佐の主要な特産品としてその歴史を刻んできました。
明治時代中期には、全国一の生産規模となったことも。種類の豊富さと品質の良さは有名で、いまなお、全国でも和紙作りの盛んな県として、その伝統が守り継がれています。

澄んだ川、宝の山が土佐和紙の源

土佐和紙土佐和紙体験良質の和紙を生み出す鍵となるのは、水と楮(こうぞ)であると言われています。
土佐和紙の産地であるいの町や土佐市には、一級河川の仁淀川が流れています。仁淀川は、石鎚山を源流とし、流域面積1560k㎡、流路延長124km。 吉野川、四万十川に並ぶ四国第三の河川で、非常に透明度の高い水質を誇る清流です。また、上流域の旧吾北村などの中山間地域は古くから楮の生産が盛んでした。

土佐の楮は他県のものと比べて繊維が太く長く、丈夫な紙ができやすい特徴を持っています。
仁淀川を中心とする豊かな水と、流域でたくさん育てられていた質の良い原料が、土佐和紙の歴史を支えてきたのです。

薄くて丈夫な「土佐典具帖紙」

土佐典具帖紙別名「カゲロウの羽」とも呼ばれる、世界でいちばん薄い和紙です。
もともとは美濃で開発されたものを、明治初期に吉井源太(旧伊野町出身・製紙改良技術家)が高知に導入しました。
その後、国外の博覧会に出品し、タイプライター用紙として高い評価を得て、海外への輸出が盛んになりました。
高知県産の良質の楮を原料とし、丁寧に下準備をして不純物を取り去り、長い繊維を絡めて漉きます。
漉き上がった紙は繊維が均一に絡み合って美しく、かつ強靱です。

いの町に住む浜田幸雄さんは、薄くて丈夫な「土佐典具帖紙」を漉き上げる技術が認められ、平成13年、人間国宝に認定されました。
今では、孫の洋直さんとともに、仁淀川近くの紙漉き場でこの技術を守り続けています。

世界に羽ばたく土佐和紙

土佐和紙高知で生まれた和紙が世界中の優れた芸術品の命を救っている、というのはご存じでしたか?
アメリカやヨーロッパ、中東など世界各国で重宝されています。様々な用途で利用される土佐和紙ですが、 中でも土佐楮を原料とする和紙は、文化財修復用紙として国内外で高く評価されているのです。
ボストン美術館所蔵の浮世絵や書籍など所蔵品の修復、イタリアのシスティーナ礼拝堂のミケランジェロが描いた大壁画の修復、ルーブル美術館の所蔵品の修復などなど・・・。
薄くて強い土佐の紙は、これから何百年も日本や外国の美術品・文化財の命を永らえることでしょう。

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